迷走する人事
先日の3月議会本会議初日に副市長の同意案件を賛成7票、反対19票で否決しました。 昨年の副市長の解職や水道事業管理者の罷免などトップクラスの人事がおこなわれていますが、 「迷走する人事」と言えるのではないでしょうか。今回の副市長候補者は現総務部長で市長は「昨年10月以降、副市長不在の中、いわば私一人で市政全般を統括して参りましたが、 やはり市長と一心同体となって働いてくれる副市長が欲しい、私の志を理解し右腕となって共に山陽小野田市の再生発展のため、 山積する諸問題に取り組み力を発揮してくれる副市長が必要であると痛感するようになりました。その人物としては、 現総務部長の笹木さんが適任であると考えます。・・・・・・・・・・新市になってからは、私の下で、 市民環境部長と総務部長をやっていただきましたが、市役所の職員としてトップクラスの能力を備えた人物であることは、 既に議員各位のよくご存じのところであります。・・・・・・・・・・本人も、もし議会のご承認がいただけるならば、 副市長として市長との意思疎通を図るため、毎日、例え3分でも、市長室を訪れるよう心がけたいと申しております。」 と説明をしました。
市民の代表である議会が、副市長の人事案件を否決するには、相当の理由が必要になります。 議員はそれぞれの理由で意思を表したわけですが、当然のことながら好き嫌いや人間性で評価したのではなくて、市長の説明にもあるように 「共に山陽小野田市の再生発展のため、山積する諸問題に取り組み力を発揮する」 ための副市長が必要と考えたはずです。つまり、否決されたと言うことは、 総務部長には力不足だという判断ではなかったのでしょうか。
今回の人事は以前から疑問を訴える議員が多かったのが事実です。そのことは市長や総務部長の耳に入っていたはずです。つまり、 状況の変化がなければ通るはずのない議案を出してきたとも言えます。市長は総務部長が唯一無二の副市長候補だと考えるならば、 この議案を通すために最善の努力をすべきでしょうし、総務部長も自分こそが山陽小野田市を再生発展できる唯一の副市長候補だと思えば、 その思いを職員や議会に伝えるべきだったし、仕事の面でも手腕を発揮すべきだったと思います。
人事は、市の将来を左右するばかりかその人の将来も左右します。今回の案件はそのことが悔やまれます。