学校支援体制の鍵は?
和田中の藤原和博校長が実践した「地域本部」が文部科学省の肝いりで予算化され「学校支援地域本部事業」として走り出しています。
山陽小野田市も津布田小、厚陽小、小野田中、厚狭中が手を挙げており年間100万円前後の予算が下りる予定です。
文部科学省の説明によりますと「近年、都市化、核家族化、個人主義の浸透、
地域における地縁的なつながりの希薄化等に伴い、家族や地域の絆が弱まっています。これは、子ども達にとって、今まであった、
地域の住民と交流することにより様々な経験をする機会を減少させ、その経験から学んでいた「社会性」や「信頼関係」
を作り上げていくことを困難にしています。また、学校教育においては、教育活動以外の業務など、教員の業務量の増加が問題となっており、
教員が、子ども一人一人に対するきめ細やかな指導をする時間を確保するために、
教員の勤務負担を軽減するサポート体制の充実が必要とされています。
これらの課題に対し、文部科学省では、教育委員会、PTA、地元企業等の支援団体の協力を得て、学校と地域との連携体制の構築を図り、
地域全体で学校教育を支援する体制づくりをする「学校支援地域本部事業」を平成20年度から実施します。」とあります。
具体的には、地域住民が積極的に学校支援活動(例えば、学習支援活動、部活動指導、環境整備、 登下校安全確保、学校・地域との合同行事の開催等)に参加し、教員を支援することにより教員の負担軽減が図られるだけでなく、 地域住民と児童生徒との異世代交流を通して、弱まった地域の絆を回復させ、地域の教育力を活性化させようとするものです。
我々が子どもの頃を考えてみますと地域の人=近所の人だったような気がしますが今は、地域といえば 「ふるさとづくり」や「地区社協」「老人会」などの人というイメージがあります。 これらのコミュニティ団体も事業の一環として学校を支援していることには変わりはありませんが、地域全体かといわれれば疑問符が付きます。
「学校支援地域本部事業」のキーワードは「地域全体」で学校を支援することであり「学校再生」と共に 「コミュニティ再生」に意味があります。 コミュニティ団体に所属していない人でも地元の小学校や中学校を支援したいという気持ちを持っている地域の人はたくさんいると思います。 その証拠に地域の人を対象に見守り隊を募集したときに100名以上の方々が協力の意思を示されました。 地域力は今も健在でその力を発揮できる場所を探しているだけではないでしょうか。その牽引力になるのが「主体性」であり「強制」 ではないということを感じています。
成功の鍵は「いかに主体性を持たせるか」にかかっており「強制力」を持たせると長続きはせず、 学校再生は幻想のものになってしまいます。
また、この事業に手を挙げなかった小中学校は自らが地域支援から学校再生を考えていく必要があるし、 事業に手を挙げた4校は、国のマニュアルをそのまま踏襲せず、自らが学校支援における問題点を洗い出し、 問題解決に向けて自らが考えて行動をしないと真の「学校再生」にはつながらず、予算が切れたときに学校再生の希望も潰えるでしょう。
いつも大変興味深く読ませて頂いています。
地域のつながりの希薄化と核家族化と個人主義の浸透。
これらにはかなり強い関連性があると思います。
共通しているのは「面倒なことには関わりたくない」という後ろ向きな考えではないでしょうか?
例えば、我々の世代まではかろうじて残っていた、かみなり親父や口うるさいお年寄り(失礼)が近所に一人はいたものです。当時はとても苦々しく思っていたものですが、今思えばとても貴重な体験だったんだと気付きます。
地域のためというとピンと来ないでしょうか、自分の子供のためと思えば、地域や学校の行事にも参加しようと思えるのではないでしょうか(いやむしろ思って欲しい)。
今こそ自分の子供たちの為にも、「小さなことからコツコツと」自分たちのできる範囲で、いろんなことに取り組んでいきたいものです。