ふるさと納税
平成20年4月から「ふるさと納税」制度がスタートしましたが、 山陽小野田市もようやく「サポート寄付」という名称で受け入れ体制が整いました。
制度の概要は4月30日の地方税法の改正により、県や市に対する寄附金のうち、 5千円を超える部分について、個人住民税所得割の1割を上限として、所得税と合わせて全額が控除される。 平成20年中に寄付金をした場合は、平成20年の所得税確定申告により税額控除がなされ、 個人住民税は平成21年度分が減額されるというものです。
ご存じのように財政赤字で悩む自治体には朗報とも言える制度ですが、「何をもって 『ふるさと』とするかは、法律で決められるものではなく、住民税で払うのは極めておかしい。税体系としてナンセンス」 などと石原慎太郎東京都知事が言っているように大都市からは反対意見が多い制度です。
萩市や長門市では1万円以上の寄付をすれば特産品を送る事になっていますが、 山陽小野田市の場合は「心のお返し」になるらしい。「心のお返し」の内容については今後、内部で十分に検討していくというものです。
多くの人たちが「ふるさと小野田」「ふるさと山陽」をあとにして、様々な場所で時には 「ふるさと」に想いをはせながら生活しているのではないでしょうか。
その「心のふるさと」に何か貢献したいという気持ちは誰にでもあると思います。 その気持ちを大切にする「心のお返し」。知恵を絞りましょう。
山陽小野田市の「ふるさと納税」への取り組みは、遅すぎます。他市は2月頃から考えて発信していました。そして、山陽小野田が制度として作ったけれど、どのように発信、実現していくかです。
次のような記事がありましたので紹介します。参考までに。
高橋潔・岡山県公聴広報課長
◇ふるさと納税は名刺1枚、対話から
「ふるさと納税はフェース・ツー・フェースで」と話すのは、岡山県の高橋潔
・公聴広報課長(たかはし・きよし=53)。県人会など県外イベントに出向いて寄付を呼び掛けるために、納付方法を記した名刺を自作したアイデアマンだ。画一的な広報ではく、個々に対話する中で「岡山県への熱い想いを呼び起こしてほしい」と寄付者に期待している。
県は、制度開始を受け、財政課、税務課、公聴広報課などの部局横断によるPRに着手。他県で「有名人起用」「粗品贈呈」など寄付金獲得の競争が激化する中、ホームページやラジオ広報番組など既存媒体を活用していく堅実路線を採用し、石井正弘知事が県人会などで寄付を呼び掛ける「トップセールス」も始めた。
高橋課長が、オリジナル名刺を発案したのは、福岡の県人会に出席した時のこと。
参加者から「ふるさと納税の仕組みが分からない」と質問され、「具体的にどう寄付するのか、自分の言葉で説明できる資料が欲しいと思った」という。そこで市販の名刺キットを使い、表面に岡山県の地図、裏面に「寄付の申し出」から「住民税の税額控除」までの納付手順を印刷した。
「チラシだと受け取ってもらえないケースがあるが、名刺を受け取らない人はまずいない」。相手に手渡したら、観光地や県産品などふるさとの話題に花を咲かせ、同時に制度の仕組みについても詳しく説明できるという。また、名刺の肩書には「収納出納員」と併記し、寄付の申し出があれば、その場で領収書を切れるよう工夫した。
これらアイデアに、他の担当課から「ぜひ参考にしたい」と声が上がるほどだ。
県は6月に財政危機宣言を出したばかりだが、ふるさと納税は「赤字を埋める手段ではなく、あくまで故郷の良さを後世に残すためのもの」と強調。「寄付金の都道府県ランキングが世に出ても、総額ではなく、寄付者の数と割合でふるさとへの想いを評価してほい」と考えている。
一般の寄付金が1円単位から入ることで、「寄付者、納税者に納得してもらえるような行政サービス提供にさらに努める必要がある。血税を効率的に使う必要性を再認識することにもつながるはず」と職員の意識改革も期待する。ふるさと納税PRについては「職員一人ひとりが広報マンであり、県庁の顔。寄付者の期待を裏切らないようにしたい」と心構えを語った。
(岡山支局・平岩貴比古)