人事案件の迷走
本会議初日の人事案件は副市長と人権擁護委員がありました。
5月臨時会から執行部と議会の申し合わせで人事案件に関しては、本会議場でいきなり質疑、討論を経て採決を行うのではなく、 全員協議会を開催して市長及び執行部が説明を行い議員からの質問を受け付けることによって本会議場での議事運営をスムースに運ばせることが決定していました。 当然紳士協定です。
本来、全員協議会とは議員全員が一堂に会し、将来議決される問題や議会での審議事項以外について協議するために開かれる会議のことで、 全員協議会での決定は議会の意思決定としての法的効力はありません。 全員協議会が開かれる理由は本会議場での運営を円滑にすることや議員相互または市長、執行部との話し合いの場であり、 複雑な利害の絡む問題等の事前の調整や了解がつきやすいという利点があります。
市長はこの全員協議会を根回しの場と決めつけ出席の必要はないと言い続けていましたが、 急な方向転換で議会としても不要な摩擦を避けることが出来て大変良いことだと考えていました。
ところがどこにでも摩擦は起こるものです。というか予感はしてました。
前回もそうでしたが今回も更に議員から公募の方法についての執拗な質問にあい、市長の退席一歩手前の騒動に発展しました。
どちらが悪いなどとは言及はしませんが、お互いがもう少し尊重しあえれば建設的な議論が出来るものです。 そのための全員協議会ですから。
結局、全員協議会で質疑を交わしても本会議場でも全く同じ質疑が繰り返されました。
市民の皆さんは「何で」と思われるでしょうが、これが議会なんです。
何故かというと、全員協議会は法的な位置づけがない (機関として法的に位置づけることは地方自治法改正によって出来ますが山陽小野田市議会はまだです)いわば非公式の場となります。つまり、 発言は議事録に残ることもないし責任もないといえます。
こういう場で質疑をして本会議場では質疑をするなとは、北朝鮮でもない限り言うことは出来ません。言論封殺にもなりかねません。
重要案件が全員協議会で決定されたとおり本会議で議論もされず決定されれば議会審議は形式化され本来の議会の使命を果たすことが出来なくなります。
しかし、人事案件に至っては本人の人格を脅かす可能性もあるのではないかという配慮からこの様な取り決めがなされたのです。
今後は全員協議会の開催を議会内の報告事項や執行部の報告事項、 また議会内だけの協議事項など最小限にとどめるか法的な位置づけのあるものにするかどちらかにしなければいけないような気がします。