真意はどこに
国民健康保険の加入者は今回の国保料の高さににびっくりされている方も多いのではないでしょうか?
そこで本日、本会議最終日に「国民健康保険料引き上げによる激変緩和を求める決議」が議員提案により提出されました。
今年度の国民健康保険料は平均11万9614円となり前年度より1万8988円、18.9% の大幅なアップとなっています。苦情や問い合わせが担当窓口に殺到しているということです。
この決議文の内容は
「・・・・・・・・国保事業の加入者には、低所得者層も多く、今回の値上げが暮らしを直撃する事態です。このままでは、 市民生活に重大な影響を与えるばかりか、国保料滞納者が増え、「無保険」者を多発させてしまうおそれがあります。以上の理由により、 大幅に保険料が引きあがる世帯に対して、激変緩和の措置を求めるものであります。」
ポイントは「大幅アップ」となっているので「激変緩和」の措置を求めるというところです。
この決議は市民を代表する議会の意思形成行為としては極めて当然のような気がしますが、反対者が7名もいらっしゃいました。
彼らの反対の理由は
一つ目、「国保会計の大原則から行けば、赤字にしてはならないわけで、今回の国保料の引き上げ措置はやむを得ないのではないか」
まさしくその通りだとは言えるが、引き上げをやめて赤字にすべきとは決議文は言っておらず、「大幅アップ」となっているので 「激変緩和」つまりアップ率の縮小の「措置」を求めると言っているのです。「措置」がすなわち赤字につながるものではありません。
二つ目の反対理由は「基金が不足している状況の中、行政・議会における市民への説明不足がある。また、委員会において、もっと調査・ 審査の必要があり、本件は継続審査にすべきである」
確かに説明不足はあるだろう。しかし、問題とするのは平均18.9%の大幅アップという現実であり、 加入者は全国的な経済不況で経済状態が悪化しているにもかかわらず、急上昇した国保料を払わなくてはならない。 だから緩和策を検討してほしいということです。
この現実をひとまずおいて、何を調査・審査しようというのか。調査・審査が絶対必要と考えるならばこの決議の採択後でも行えるが、 決議が可決した後、調査・審査を行うという動きはありません。必要とあれば閉会中の所管事務調査として調査が行えるのですが。
挙げ句の果てには継続審査にしてどこまで先延ばししようというのか。
そのほか「財源の考えを示した上での決議案であるべき」という反対意見がありました。
もちろん議員側から財源を提示して解決策を求めるに超したことはありませが、 必ずしも必要条件ではなく反対の理由にはまったくなっていません。
これらの反対理由を見ても反対者の真意は分かりません。真意はどこにあるのか?
反対することが「市民のため」になるのか・・・・疑問です。
市長は「市民のために、市民とともに」と言います。市長も納得しているのではないでしょうか。
この決議は議会の意思を対外的に表明するもので法的拘束力はありませんが、政治的な拘束力は存在します。