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山陽小野田市市議会議員 高松ひでき

新病院建設は必要か?

2010年12月30日 10:53 高松ひでき 記す

行政では事業の要求に対して厳しく査定します。

旧大蔵省が各省庁からの予算要求に対して次の審査基準を用いて事業予算の査定をしていました。

1.その事業は公益に資するものであるか

2.その事業は公共部門が行うべきものであるか(公共部門がその事業をする合理性と必要性はあるか)

3.その事業は公共部門の中でも国(市)が行わなければならないものか

4.その事業は民間などに委託できないか

5.その事業を継続した場合、どの程度効率性が高まるのか

6.財源はあるのか

以上6つですが、病院の場合は更に、医療体制は充実するのか(医師の確保はできるのか)、 将来の財政負担はどうなるのかなどが加わります。

 

河合病院事業管理者の説明によると「地域住民によってつくられた自治体病院は、その地域に不足している医療に積極的に取り組むと共に、 地域の医療機関や行政機関等との連携を図りながら、公平公正な医療を提供し、地域住民の健康の維持・増進を図り、地域の発展に貢献する」 ことを使命として、大きく2つの点より建設が必要だと言います。

 

1つは、建物の寿命で本館と東病棟は昭和37年建設で既に48年経過。南病棟は昭和55年建設で29年経過しており、漏水や雨漏り、 壁落ちなどで、2~3年が限度で、患者の生命を守るためにも立て替えが必要。

2つ目は、「このままだと大学病院からのサポートも無くなり医師の確保ができない。新病院を建設することにより医師が確保できる」 と新築によるインセンティブを強調する。この説明は、言葉足らずで理論が相当飛躍をしているが、 後日このブログで検証してみたいと思っています。

診療科2

 

1つ目の説明により、今の状態のままでの存続はあり得ないことになります。そうすると選択肢は、オールORナッシング。建て替えか、 閉院です。(民間委託や統合の可能性については後日検証することにしてここでは単純に閉院という意味です。)

それでは、閉院となるとどうなるのでしょうか。

巷では、「大きな病院がこの小さなまちに3つもある。だから大きな建設費用のかかる市民病院はいらないのではないか」 とささやかれている声を聞きます。

 

「2005年、市民の総入院患者数は916.5人」

「市内には、7病院で788床しかなく、約130名は市外で入院している」

「現在でも市民の入院に耐えられていない」

「高齢化率を考えると2025年には入院患者は1135人になり350名近くが市外に入院せざるを得なくなる」

「現在の市民病院の215床がなくなれば、市民565人が入院難民となる可能性がある」

と河合事業管理者は説明します。

また、閉院した場合には、何もなくなると言うわけではなく退職金や起債の償還(借金の返済) などで数年間にわたって数十億単位のお金が必要になってくると思われます。

そして市民病院の議論をするときに大事なことは、市民病院は「公立病院」だと言うことです。「公益に資すること」が大前提であり、 民間病院でできないことを行うのが公立病院なのです。 もっともそうでなければ公立病院としての存在意義はありませんので公共が行う事業にはなり得ません。

その意味から考えると、 市民の健康維持と生命を守るという観点から民間病院で収容できない入院患者を入院させることの一点からでも公立病院の意義があると言っても良いような気がします。

この様なことを総合的に考えると、ここまでの説明では単純に「市民病院はいらない」とは言えないのではないでしょうか。

長くなりましたので、次回つづきを書きます。

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