
医師確保の実態
医師はどの様な状況に置かれていて、どの様に考えているのでしょうか?
私は医師ではないので分かりませんが、厚生労働省が興味深い調査をしています。
平成22年9月発表の「病院等における必要医師数実態調査の概要」を見てみると
「求人しているにもかかわらず医師が充足されない背景は?」との問いに対して
「求人している診療科医師の絶対数が県内(地域内)で少ない」38.0%
「大学の医師派遣機能が低下している」19.9%
「当院の勤務条件(当直や報酬等)と医師の希望との不一致」14.0%
との回答で全国的な医師数の不足と医局の実態が現れています。
また、医師を求人しなければならなくなった原因として
「他の病院への転職 開業、定年等による医師の退職(従前通りの体制を維持するために必要)3,650件33.6%」、
「医師の引き上げ等大学の医師派遣機能の低下による医師が減少(従前通りの体制を維持するために必要)2,136件19.6%」 であった。
ここでも医局の医師の引き上げが原因となっています。
そして、、医療機関で行っている医師確保対策の取り組みとして多かったのは、
「勤務手当(手術手当、分娩手当などの労働基準法以外の手当)等の処遇改善3,339件24.9%」、
「院内保育所の設置2,377件17.7%」、
「医師事務補助者の設置2,207件16.4%」であった。
医師により良い環境を整備して他の医療機関と差別化することによって医師確保をしようと模索をしています。 また女性医師が出産しても現場復帰しやすいような環境を作ろうとしています。
また、求人方法として多かったのは、
「大学(医局等)へ依頼13,691件」、
「インターネットへ掲載11,676件」、
「民間業者へ依頼9,200件」であった。
この件数は複数回答なので、各医療機関とも医局へ依頼しながらインターネットや民間業者を活用していると思われます。
医師の確保ができなければ、医療機関は閉鎖へと追い込まれます。 絶対数の少ない医師を環境整備によって取り合いをしている状況なのです。
この意味では、河合病院管理者の言う新病院建設はそのもの環境整備であり環境改善と言えるかもしれません。 しかしハード面が整備できたとしてもソフト面が整備できなければ医師は積極的には来ないものと思われますが、 そのことについては現在のところ言及をされていません。
今後、ソフト面の整備についても説明がされるものと思います。その時はまたこのブログにて詳細を明らかにしたいものです。
最後にもう一つ興味あるデータがありますのでお知らせをします。
それは医師国家試験合格者の地元残留率です。
最も高い地元残留率は順天堂大の90.3%、名古屋大の88.1%。最低は宮崎大の19.1%。
地元残留率は、東京、大阪、愛知などでは平均7割以上と高いが、それ以外の地方圏では、低い傾向にあります。
さて、山口大学はと言うと地元残留率43%、大学病院残留率20.9%、地元高校出身率22.1%(2010春、毎日新聞調べ)
これから読み取れるのは、半分以上は県外の医療機関に出て行っているが地元残留率が地元高校出身率より割合が多いので、 地元残留効果つまり他県から来た学生も県内の医療機関に入っている事になります。
また、大学病院残留率は20.9%であり全国平均33.3%と比べると低い数値になっています。
現在30位です。