議案の否決・修正
前回の続きになりますが、読売新聞によると執行部提出議案の否決、修正の件数は19市町のうち12市町がこの5年間で0件、 本市は7件となっています。
読売新聞の論調は、「議会は執行部の追認機関ではない、可決を続ける議会に本当にチェック機能は働いているのか。」というものです。
私も議員になる前から議会だよりに踊る「可決」だらけの記事に違和感を感じていました。
でも理屈から言えば、 議案の修正や否決を行っていないというのは執行部が提出した議案が素晴らしいものであり手を加える必要がなかったというものだとも考えられます。
しかしデータによれば、議会規模の小さいところほど否決、修正を行っていないのは一目瞭然。
山口県下の6町はすべて行っていないのが現状であり、そこから推測できるのは執行部と議会のなれ合い構図の様な気がします。
なぜなら、議会規模が小さいというのは議員数が少ないことであって、 執行部サイドとしては議員数が少ない故に抱き込むことが容易にできるからとも勘ぐることができます。
本市議会では、 山陽消防署の建設に関わる議案を昨年12月定例会補正予算と3月定例会補正予算及び当初予算において修正可決しています。
首長(市長)にとっては、 議会の修正は満面の笑みを持って受け入れられるべきものではないのは市長もひとりの人間であると考えれば理解はできます。 ある意味自分の考えに対してNOを突きつけられたものと言えるからです。
でも政治家としてではどうでしょう?
市長も議員もともに市民の負託を受けて市政の発展のために存在しています。
独任制の市長、市長は1人であるがために時には暴走したり、独善的になったりする危険性をはらんでいます。
それを防止(チェック)するために一定人数で構成される議会があるはずです。
つまり、議案の修正や否決は、政治家としての市長にとって、いや市民にとって喜ばしいものであるはずであり、 議会機能が正常に働いている証拠であるとも言えます。
もちろん議会は執行部の議案提案の重みをしっかりと受けとめ、必要性があるときだけに限り修正をしたり、 時には否決をしなければなりません。
これらの権限の行使により議案作成の職員にも緊張感が漂い、より精度の高い議案提出となる効果があります。
議会は執行部との関係において決してなれ合いにならず、また市民に対しても迎合することなく粛々と議案を審査し、 事務を調査する事が求められます。
34位です