議会のしくみ~委員会2~
議案などは本会議場で最終採決されようとも実質的な審査は委員会で行われています。 それゆえ地方議会は委員会中心主義と言われるのです。
委員会における審査を適当にしようものなら、それはそのまま市民の不利益に直結する可能性があります。
その重要な委員会においても様々な問題点があるように思えてなりません。しかし今から述べる私が感じる問題点は、 今に始まったことではなく過去から脈々と受け継がれてきたものである、いわば議会の歴史そのものであり、 地方自治法の硬直化した解釈によるところが大きいと理解しています。
議会は言論の府と言われていますが、委員会では慣例上議論に発展する余地はありません。
委員会の進行面から説明をしますと、例えば条例案が執行部から提示された場合、 まず何故その条例案を提案するのかという提案理由の説明が市長または職員からあります。
それを聞いた後に、委員長が委員に対し質疑(質問)を促し、委員が質疑があれば行い、市長や職員がそれに答えます。 これを心行くまで繰り返した後に質疑を終結し、討論に入ります。
一般的に考えるとここの討論がイコール議論のように思えますが少し違います。
ここでの討論は一方的に誰に言うと言うことではなく、私はかくかくこういう理由で賛成だ、 または反対だというだけで意思表示前の自分の主張を述べるに留まります。 つまり自分の意見と反対のものに対して議論をふきかけるようなたぐいのものではとうていないのです。仮にそうであったにしても、 討論は1回に限られていますので議論に発展する余地はありません。もっとも必ず討論があるとは限ったものではありませんし、 当然委員全員討論をするなんてことは経験がありません。
討論が終わると委員長はすかさず採決に入り、基本的には賛成者が挙手をして終了です。
現在の委員会運営はこの様になっていますが、これでは言論の府と自負できないのは明白です。
それでは今後はどの様にして議論の場を作っていくのでしょうか?
委員会での議論の方法は2通りしかなく、一つは委員と市長及び職員とする。もう一つは委員同士で議論をする。
市長及び職員と委員または議員が本会議又は委員会で議論することに関しては、市長は是非したいと一般質問で答えています。
現実的にはあっても良いなとは思いますが、難しい側面を持っています。議論の果てにはある一定の結果が待っています。 委員会での市長や職員の立場はあくまでも議案の説明員であり、提案者であることを考えると、仮に議論をして論破された場合、 すでに本会議において上程をすませている提案を撤回するのでしょうか。
議会制民主主義の考え方は、独任制(1人しかいない)の市長サイドがよいと思われる議案を提案し (思われると言うところが肝になります)、市民の代表の集合体である議会が議案の善し悪しを多くの目で見て判断する、 つまり議決権を有しているのが議会です。 この提案権と議決権の行使を適切に行うとしたら委員会での執行部との議論は不毛のものになるかもしれません。
もちろん提案権と議決権から離れて、議案を提案する前に議会側と議論をすることは、 より良い議案を上程したいとの思いから理解はできなくもありませんがこれとて公式に行うと色々な問題をはらんでいます。
でも委員会における委員同士の議論はあってしかるべきです。というか無くてはならないものです。
過去に何度もありましたが執行部にとっても議論もなくて反対をされると議会への不信感が募るばかりではなく、信頼性まで失墜させます。
議会基本条例においても「議員間の自由討議」と称して議論の活発化を促進させる条文を盛り込む予定にしています。
また長くなりましたので、それではつづきは次回に
29位です