議会のしくみ~委員会3~
委員会審査の重要性は前回述べましたが、審査の方法として委員間の議論以前に、 議案そのものの正確な情報を得るという観点から議案の一定の説明の後に質疑(質問)と答弁(回答)を繰り返しただけでは十分とは言えず、 それは委員の自己満足を満たすだけのものになってしまう可能性があります。
例えば予算案を審議するときは当然予算書をめくりながら委員会を進めていくわけですが、 事前にチェックした部分や職員の説明時に疑問が生じたときや分からない点のみ質疑を行うことが通常となっています。
つまり行政サイドにしてみれば問題視されそうな点があっても委員側が疑問に感じなければそのままスルーされ、 採決にはいることになります。
そういう場合、職員はしてやったりとは思わないでしょうが、少なくとも胸をなで下ろすものです。
最終チェック機関である議会としてはそれでは仕事をしたとは言えませんが、現在の審査手法ではありうることなのです。
しかし最近は委員会によってはこの様な審査方法に対し疑問の声があり、事前に議案関連資料を請求したりしています。 また委員会審査における資料の提供にも温度差がありますが、多くの詳細でわかりやすい資料を作成し委員会に臨む担当課も存在します。
この議案関連資料の作成や提出にはルールがありません。
担当課によっては、「きまりがないからしない」という声が聞こえてきそうですが、まさにその通りとも言えます。
それでは、きまりを作ればいいのです。
多くの議会基本条例では「審議における論点情報の形成」 と題して次のような条文があります。
委員会は、提案される重要な政策、施策、計画等(以下 「政策等」といいます。)について、議会審議における論点に係る情報を形成し、議論の水準を高めるとともに、議決責任を担保するため、 提案者に対し、次の各号に掲げる事項について明らかにするよう求めるものとします。
(1)政策等の提案に至った経緯、 理由及び期待される効果
(2) 他の自治体の類似する政策等との比較検討
(3) 提案に至る過程における市民参加の実施の有無とその内容
(4)総合計画との整合性
(5)関係法令及び条例等
(6) 財源措置及び将来にわたるコスト計算
上記の条文内容については、 議会基本条例制定特別委員会においても既に議論を済ましています。
25位です