議会のしくみ~議案の修正~
山陽消防署建設に関しての議会の対応をめぐり混沌とした状況が4ヶ月も続いています。
事の発端は、昨年の12月議会で消防署予定地の測量調査委託料180万円と業務委託料45万円を減額修正したところから始まります。
この議会の減額修正の意味合いは、消防署建設には賛成だが行政側が考えている予定地が適当とは言えないので再考せよ、ということ。 消防署建設そのものに反対なら議会は否決をしています。
予算の修正については、地方自治法97条2の「議会は、予算について、増額してこれを議決することを妨げない。但し、 普通地方公共団体の長の予算の提出の権限を侵すことはできない。」を根拠にしています。
条文に予算の減額修正の事が触れていない理由は、議会の存在理由からして規定するまでもないからです。
つまり、「議会は、住民に金銭や労力の提供を求める権限(課税権)を持つ権力者(行政権者) に対抗する住民代表の機関として生まれたものである。そして、議会は住民に負担を課する課税権に制限を加えることを本来の役割、 使命とする機関である。したがって住民の負担軽減に通ずる予算の減額修正ができるのは当然であって、いまさら法律に規定するまでもない。」 (全国議長会編、「議員必携」より抜粋)ということです。
この議案の修正は、いままでほとんど行われていませんでした。
その理由は大きく2つ。
ひとつは、市長が提案する予算などの議案が大変素晴らしく文句のつけようがなかった。
もうひとつは、議案には難があるが議会と執行部がなれ合いになっていて多少のことには目をつぶった。
この2つの理由が存在すると修正なんて事はあり得ないのです。しゃんしゃんと混乱なく議会は閉会できます。 市民はこの様な状況を望んでいるのでしょうか?もしそうであれば議会は必要ではなくなります。
市長からすれば、自分が出した議案にある意味だめ出しをされた訳で、 議案の修正や否決に対して決してにこやかに議会の皆さんありがとうございますというわけにはいかないのも理解できます。というか、 おもしろくないでしょう。
しかし、議会が正しい判断をしていない、私の政策が一番よいはず、というのは少し独善的過ぎるような気がします。
また、何故議会は、私の政策を理解してくれないのか、ということでしたら説明を更に尽くすべきです。
もちろん議員が必ずいつも正しい判断をしていると断定することはできません。 そもそも正しい判断ということすら各自の主観によるところなのです。判断をする前提や基準が違えば結果も変わるものです。
だから色々な意見を持ち判断をする24名の議員がいてはじめて議会なのです。
この24人の目と耳を使い考い判断をしていることは、尊重されるべきなんです。これが議会の存在理由です。
この消防署建設についての混乱は、行政が当初の予定地に固執していることが原因のひとつだと考えられます。 この予定地に山陽消防署を建設をすることが目的になっているような気がしますが、そもそも目的は、 山陽地区の消防行政の推進ではないのでしょうか。また、議会が住民代表だという認識も薄いような気がしてなりません。
議場では議員と執行部がお互いを認め合い尊重していくことも大事です。
25位です