コンテンツ

最近の記事

ブログ記事 アーカイブ

山陽小野田市市議会議員 高松ひでき

変わる地方自治

2011年7月19日 09:45 高松ひでき 記す

地域主権改革関連三法が平成23年4月に可決成立し、5月に公布されました。

その中に「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」 という長すぎる名前の法律があります。もともとはこの法律名には「地域主権」 の文字が入っていたのですが野党が難色を示し紛糾したためはずされることになり、法案提出から1年以上かかった難産の法律です。

この法律は「義務付け・枠付け見直し1次一括法」と呼ばれ、地方自治体の事務事業の基準や内容の決定権を国から自治体へ委譲し、 自主的に判断できるようにするものです。

 

その中で、本市をはじめ各自治体において今後議論になりそうなのが公営住宅の設置管理の基準と入居収入基準の義務付け、 枠付けの廃止です。

 

特に、 入居者資格のうち入居収入基準については公営住宅法第23条第2項及び公営住宅施行令によって定められている本来階層月収15万8000円以下、 裁量階層21万4000円以下となっているものを自治体が独自に条例で定めるものとしています。

しかし公営住宅は、低所得者のために設置されていることから富裕層の利用を排除するために国は参酌基準 (参照しなければならない基準であり、従うべき基準ではない)として収入分位50%(25万9000円)を想定しています。

 

今後、自治体は独自の権限により入居収入基準を条例により規定することができますが、 基準を引き上げてしまうと倍率の上昇によって更に入居は狭き門になる事は容易に想像できます、 また民間業者との競合が顕在化してくるのも避けられないと思われます。

反対に引き下げることは、本来の公営住宅の趣旨に合致しますが、収入超過となる既入居者が出てきたり、 地方によっては応募倍率の低下が発生する可能性があります。

となると、入居収入基準については権限委譲されたとしても現行通りと決定する自治体が多いのが実状とも思われます。

 

「地域主権改革」の名のもとに国は地方に権限を委任をするものですが、この公営住宅に関しては公営住宅法1条に 「国および地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住居を整備し、 これを住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、または転貸することにより、 国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与すること目的とする」とあるのですが、 地方自治体の入居収入基準についての条例制定によって大きな地方間格差が生じてくる事も予想されます。

地域主権の名のもとに憲法25条を保障しなければならない国の責任を地方に押しつけることになるのではないのかと不安がよぎります。

 

大ざっぱな考えですが、現政府や民主党の公営住宅の義務付け枠付け廃止の考え方には全く賛同できないばかりか、 軽薄な政策ばかりだと感じてしまいます。地方主権の美句に酔い、 国がやらなければならないことと地方がやらなければならないことの区別ができていないともとれます。

本市においては、経過措置を考慮しても平成25年4月1日までに基準を規定する21項目を含む条例を制定する必要があります。

クリックをお願いします!! 政治ブログブログランキング参加用リンク一覧

10位です。

クリックすると全国の市町村議員のブログが見られます。

 

 

 

 

コメントする