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山陽小野田市市議会議員 高松ひでき

震災瓦礫の受け入れについて

2011年8月29日 10:10 高松ひでき 記す

8月8日号の「AERA」に(震災瓦礫の)焼却処分に手を挙げた自治体として山陽小野田市の名前が一覧表に出ています。

記事を見てみると情報源は環境省とあり、がれき処理について公表しないで欲しいというところを除いた572団体を公表したとあります。

この記事をきっかけに市には市民や議員からの問い合わせが数件あったらしい。

 

問い合わせを受けて市のホームページに 「東日本大震災に係る災害廃棄物の受け入れについて」と題し、事の経緯と考え方が記されています。

 

それによると発端は、「今年4月の初旬に環境省から災害廃棄物(被災地のがれき等) を受け入れることができるかどうかという可能性についての調査」であり、

 

それに対する市の回答は、「日常の業務に支障のない範囲内で可燃ごみのみ受け入れが可能であると回答」

 

その理由は、「被災地の一日も早い復旧復興のためには膨大な量の災害廃棄物を適正かつ迅速に処理することが必要であり、そのためには、 全国の自治体の広域処理の受入協力が不可欠であること、本市においても昨年の大水害において多方面から多大な援助を受けたこと等」

 

しかし受け入れるかどうかについては、 「すぐにでも被災地からの災害廃棄物が手を挙げた自治体に運び込まれるかのような印象を与えますが、決して「放射能汚染がれき」 の受け入れに対し手を挙げたものではありません。」

 

今後の対応は、「現在のところ具体的な要請はありませんが、今後の対応については庁内で協議をするとともに、 市民の皆様にも説明をさせていただく」とあります。

 

興味深い点は、「全国の自治体の広域処理の受入協力が不可欠である」との認識下において 「放射能汚染がれきの受け入れに対し手を挙げたものではない」としているところだろう。

ここでいう「放射能がれき」とは何をさすのかが問題となります。

本市の焼却施設に限らず全自治体の焼却施設は、放射能汚染物質の焼却処分は想定にありません。 あくまでも一般廃棄物等を焼却するための施設なのです。

そのため原子炉等規制法で定められているクリアランスレベルに関して環境省は、非公開の有識者会議で 「従来のクリアランスレベルを今回の災害廃棄物に当てはめることは適当ではない」などの都合のよい基準を一方的に定め、 放射性廃棄物であるはずのものが新しい基準により通常の災害廃棄物として処理されることが可能となりました。

と言うことは、新しいクリアランスレベル以下の放射能汚染瓦礫は一般廃棄物として運び込まれる可能性があります。 その場合はどうするのでしょうか。それとも一切放射能汚染されていない瓦礫のみを受け入れるのでしょうか。

スピーディの画像などを見ても放射能汚染されていない瓦礫なんて無いと思うのが普通です。

 

今回の震災に関わる原発事故の情報や基準は場当たり的なところが多く見受けられ、地方自治体が、 勝手に基準を変えるような政府の方針に沿って動くことは危険きわまりないような気がしてなりません。

被災地3県の瓦礫の総量は約2300万トンあり到底被災地だけでは処理しきれるものでは無いことは分かっています。

さりとて無条件に受け入れをすることは自殺行為です。震災瓦礫を一切受け入れないのか、 それとも自治体独自で基準を作って受け入れをするのか(これは難しいのでは)考える必要があります。

 

心配なのは4月の環境省の調査において、受け入れの可能性として手を挙げている現実です。

あのときとは状況が変わっているとはいえ、早急に市の方針を打ち立てなければそのうち環境省から必ず受け入れの打診が来ます。 その時に瞬時に対応できればよいのですが・・・

また、民間業者が受け入れる震災瓦礫等に関しても行政は目を光らせなければなりません。

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