議員報酬の決定に関する考察
議員の報酬額の決定は市長の附属機関である特別職報酬等審議会(報酬審)の答申が尊重される。というか過去もそうであったように報酬審の設置意義から言っても答申内容がそのまま額の決定となることが通例である。
■報酬審はなぜ必要か■
報酬審は規則において
「市長は、議会の議員の議員報酬の額並びに市長、副市長、教育長、病院事業管理者及び水道事業管理者の給与の額(以下「議員報酬等の額」という。)に関する条例を議会に提出しようとするときは、あらかじめ議員報酬等の額について審議会の意見を聴くものとする。」と規定されている。
これは報酬や給与の提案者であり利害関係者である市長が公平公正である第3者の意見を聞くことによって自らの「お手盛り」の決定を排除するためである。
■委員の条件■
この報酬審の決定を正当化するためには構成要員である「公平公正な第3者」が必要条件となる。
つまりこの第3者は議員報酬については議会制民主主義の制度そのものはもちろんその根幹となる議会の制度や現在の地方都市が置かれている分権時代における現状やそこに身を置く議員の実態、活動などを熟知する必要がある。
また知見を有していても公正性を担保するための人選も必要になってくる。
市長の意向に左右され、恣意的また政治的な発言を繰り返すような委員ではこの審議会の本来の存在意義は薄れてくる。
■提案は議会でもできる■
平成24年に制定した「山陽小野田市議会基本条例」第30条に「委員会又は議員が議員報酬の条例改正を提案する場合は、専門的知見並びに参考人制度及び公聴会制度などを十分に活用し、明確な改正理由を付すものとします。」とある。
報酬等の議案提案権は首長だけにあるのではなく、議会にも提案権があることを明文化したものである。
元々、首長と議会は2元代表制のもと独立した立場で牽制、均衡の関係にあるのに議員の報酬を対極にある首長が決定するというのはおかしな話ともいえる。
議員の報酬に限らず、政務活動費や定数なども議会が自ら決定すべきであろう。
無論、予算提案権も執行権も首長が握っているのでコトはそう簡単にはいかない可能性はある。
■ダシにされる議論■
しかし議会提案の場合、改選前の定数議論の時もそうであったが「公平公正な第3者」の意見をどの様に聞くかがカギになる。
この意見聴取がない限り、その結果は必ずしも正しい方向に向かうとは限らないし、「お手盛り」のそしりを免れない。改選前に減員した議員定数についてもそれは言える。
ここで言う「公平公正な第3者」とは必ずしも不特定な市民のことではない。
公平公正な第3者の意見を聞かず議会内部だけで議論のすえ結果を出そうとすると選挙を見据えた議員は市民受けをするパフォーマンスとスタンドプレーに走ることは既に経験済みである。
政治的成果を得ようとする議員にまたとないアピールの場を提供してしまうことになりかねない。
もちろんそういう議員がいるから定数を減らせ、報酬を減らせと、負のスパイラルに陥ることになるのだが・・・。
■議会の附属機関で議論を■
議会基本条例では議会の附属機関の設置を可能にした。
設置については総務省は難色を示しているのだが、議会が附属機関を設置して知見を活用することは地方自治の推進の一助となるはずだ。
2元代表制の一翼で住民代表機関の議会が更に附属機関で意見を聞く必要はないとの意見もあるが、驕ってはいけない。形式的には住民代表機関であるが実質的にはいまだ発展途上であることは、議員各位が一番よく分かっているはず。
傾注するは立場やプライドの保持ではなくて住民の福利や市勢発展であるはずである。
地方自治制度も時代と共に変化を遂げなければならない。その必要性を敏感に感じ取れる議員が何人いるかによってそのまちの将来が決まってくる。
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報酬審に慎重な議論を求める。
平成25年度の特別職報酬等審議会が第一回目の会議を終了したらしい。
過去の審議会の答申によって議員報酬は約25%カットが続いている。今回の審議会はどのような議論のもと結論を出すのか興味がある。
前回は平成24年2月28日に2時間、3月5日に1時間45分行われており、審議会の会長は現在の新人議員である杉本保喜氏である。
議員の報酬は議員が存在する上での環境の一つとして非常に重要な要素であると共にそれを決定することは偏見のもと安易に結論づけてはならず、相当の知見と情報をベースに深遠な議論しなければならないものである。
しかし会議録を見てみると初日のわずか2時間で拙速にも市長等の給料と議員の報酬について結論を出している。それも委員数10名に対して4名欠席のもとの結論である。そのうち2名は2回目も欠席であり、つまり一度も会議には出ていない。(1名は病気のため欠席)
果たしてこれが条例に基づいて設置された公式の審議会のあり方であろうか?そしてそこに高い視点と広い視野での議論は存在したのだろうか?
会長の発言でさえも「歳費」と「報酬」の区別さえついてないし、会務を総理する立場を超えた誘導的な意見が多すぎる。
また、議論全般を見てみるともっとも重要な議会の本質や議員の職責は論じられないまま目先の金額のみに議論が集中している。
この手の会議録を見ていてストレスがたまるのは、会長以外発言者の氏名が公表されていないことである。
おそらく公表すれば自由な意見が阻害されるという理由であろうが、公募委員の2名を除き8名は公共的団体の代表者なのだからその発言は会を代表して出てきたという観点から見れば、そこに個人的自由意見などはないに等しい。
それ以前に公式な審議会においては発言に大きな責任が伴うのは当たり前でその責任は回避し、自由な発言の確保のみを求めることは理解しがたい。
そのような点も含めて今回の審議会を注視したい。
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サービス残業の実態は?その2
違法行為であるサービス残業は日常化していないのでしょうか?
過去の議会でもサービス残業の有無について一般質問が行われています。平成19年以降の本会議会議録を見てみると行政側の答弁はほとんど統一されていて
「時間外勤務手当は、原則といたしまして所属長の命令により発生するものであります。サービス残業の定義というのは、時間外命令で残業をさせておきながら、それに対する手当を払わない不払い残業の通称でありますので、そのような実態があるとは思っていない」(平成20年9月議会)
「本来、超過勤務と申しますと所属長の勤務命令に基づいて行うものでありますのでサービス残業的な法的な解釈はございません。」(平成22年6月議会)というものです。
なかなかうまい答弁です。つまり残業は勤務命令によってのみ行われ、超過勤務命令簿どおりの時間外手当は支払われていると言うことでしょう。
当然と言えば当然のことですが、ここで疑問があります。
■勤務命令以外の労働はどうなる■
一つ目は超過勤務命令簿どおりの時間外手当は支払われているでしょうが超過勤務命令どおりの残業が行われているのでしょうか?
残業の業務命令は所属長が出しますが、この命令時間に対して延長して超過勤務した場合の取り扱いはどうなっているのでしょうか。
特に命令をした所属長が先に退庁したときは、どの様に正当な労働時間を管理しているのでしょうか。
一般的に見ても超過勤務命令以外の残業が行われていることは容易に想像できます。
その様な残業も労働には違いありません。労働には賃金の支払いが必要となります。
事実、本会議で次のような興味深い答弁がありました。
「中には切りのいいところまでやっておこうとか、あるいは気になるところ、疑問点をきちんと自分で整理したり、自覚をしておこうというように自主的に残られることはあると思います。これらの行為はあくまでも自分の意思で、向上心を持って行われることであります。」(平成20年9月議会)
■後出しの命令書で帳尻を合わせていないのか■
2つ目は超過勤務命令は適正に行われているのでしょうか?
命令に従い残業するということになると、その命令は事前に発せられなければなりません。
しかし現実は違うような気がします。
何故なら事後承認の方が時間管理がしやすくなるばかりではなく、賃金管理がしやすくなるはずです。
時間外手は予算の枠があり、その予算の範囲内で行うことを第一で考えるならば帳尻を合わせたくなるのではないでしょうか。
いずれにしても行政のサービス残業の有無については不透明です。
本会議でも「ありません」ではなく「あるとは思わない」とか「決してしません(させません)」という答弁に終始しています。
■残業をしなければならない理由■
残業が行われる理由としては
① 絶対的な業務量が多すぎる
②一定の期間、季節に業務が集中する
③仕事になれないため能率が悪い
④職員個人の問題
①のように業務量が多すぎて時間外労働が慢性的な職場においては定員管理そのものに問題があります。
仕事量に対して人員が不足していれば、当然のように残業が行われます。
残業が日常化すると財政サイドからもプレッシャーをかけられてしまいます。
この手のプレッシャーはサービス残業を自主的に行わせる結果になったり、最悪パソコンデーターをUSBメモリーで持ちだして持ち帰り残業などという危険性があります。
②はどの部署でもあるはずです。
一過性の業務集中に対しては正規職員を他の部署からやりくりしたり臨時職員を雇用したりして対策を取らざるを得ないでしょう。
③はともかくとして④の職員個人の問題とは「本人の能力」「仕事に向かう姿勢」「残業に対する考え方」などが考えられますが、それはとりもなおさず上司の「管理能力」や人事課の「適正配置能力」の欠如とも言えます。
それがその職員の本来的なものならば「職員採用」の時点にまで遡る必要があります。
仕事には残業がつきものですが、時間外労働には時間外手当てを支給しなければいけません。
使用者は財政事情から「残業時間」ではなくて「時間外手当」を削りたがります。
業務改善や組織改革によって残業時間を削減し時間外手当を削るのならともかく正当な残業に対しての対価である時間外手当を削るようなことがあってはいけません。
■タイムカードの導入を■
民間の会社には労働時間を管理するためにタイムカードが設置してあります。
過去導入も検討したことがあると聞いたことがありますが、何故、市役所には労働時間を正確に把握できるタイムカードがないのでしょうか?
警備員室の前にタイムカードを設置して職員は退庁タイムを打ち込み、後日、残業をした職員は上司が命令書と退庁時間記録を照合すれば良いと思います。
定時以降の出入りはチェック体制を整備すればよいのではないでしょうか。
もちろんタイムカードを導入したからといってサービス残業がなくなることにはなりませんが、少なくとも職員の時間管理はきっちり行うことができます。
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サービス残業の実態は?その1
毎日夜遅くまで市役所には明かりがついています。
職員の残業により市政が円滑に運営されているとすれば頭の下がる思いです。
と同時に使用者側からすると人事面と財政面において頭痛の種でもあります。
■職員数と時間外手当の推移■
平成17年の合併によるスケールメリットの一つである職員数の適正化という名の大幅削減が時代の要請であった行財政改革という大義名分のもと断行されました。
その当時の一部の議員も自治体の独自性を無視し横並びこそが正しいといわんばかりに全国の類似団体(単純に市町村を人口と産業構造により分類したもの)との単純比較で職員削減を叫んでいたのを思い出します。
その結果、次のように職員数は激減し財政危機を回避することになりました。
なお平成24年度の職員数の減は消防職員が宇部小野田消防組合が設立されたため103人異動したことによります。
平成18年度に策定した「山陽小野田市定員適正化計画」では平成22年度目標を114人削減で977人とし削減率10.4%を目標としていましたが、山陽中央病院の休止による職員の退職などと新規採用を慎んだことで職員数849人削減率22%となりました。
この様に職員数が当初計画と大幅に乖離したことにより平成23年に「第2次山陽小野田市定員適正化計画」を策定しています。
■定数と時間外勤務手当の関係性は?■
職員数の削減率は平成17年度を基準とすれば平成22年度22%減、平成23年度23%減、平成24年度32%減となっています。
一方、時間外勤務手当の総額の削減率は50~60%減となっており職員減の割合の2倍の減少率まで落ち込んでいます。
つまり時間外勤務手当の支給総額が減少している要因は職員数の減によるものだけではないことになります。
何故、時間外勤務手当をこれほどまで削減することができたのでしょうか?
■職員の削減は限界■
山陽小野田市の平成24年度決算における歳出の性質別分類では扶助費(57億7千万円)についで人件費(39億8千万円)の割合が高くなっています。
財政事情から人件費の総額を抑えるためには「新規採用抑制による職員の削減」「職員給与の削減」「各種手当ての削減」などがあります。
職員給与や特殊勤務勤務手当、管理職手当は既にカットや見直しが行われています。
そして職員の削減は既に限界まで来ています。
白井市長は平成24年6月議会で次のような答弁をしています。
「今は全員必ず補充してます。というのは、ぎりぎりの状態だからという認識だからです。ですから、年度途中で退職があったときも、翌年1人ふやして、そのうち1人減れば、翌年は予定よりも1人ふやして採用します。 しかし、市役所は単なる事業所じゃありません。市民サービスができなくて、そしてそこで働いてる職員の皆さんに給料だけ払うというそういう職場ではありません。市民サービスっていう形で何らかのお返しといいますか、その奉仕ができる、そのぎりぎりの数。ですから、これからは職員は減らすことはできないということで、そういう方向で、昨年から、昨年つくった定員適正化計画、これを尊重してやっております。」
■残るは時間外勤務手当の削減■
財政サイドからすると最後の一手は時間外勤務手当の削減になります。
平成17年度3億3千700万円あった時間外勤務手当を平成23年度には1億2千700万円まで削減しています。62%もの削減に成功しています。
では差額の2億1千万円の仕事量はどこに行ってしまったのか気になるところです。
多様化する住民ニーズに対応しなければいけない時代、つまり仕事量は増加傾向にある中、職員数は32%減り、残業も62%減っていることが不思議です。
計算では1人当たりの仕事量は平成17年度と比較すると3.86倍になるはずです。
組織、機構の見直しを行ったり、業務をアウトソーシングしたり、事務事業の見直しや行政運営の効率化を図るなどを行ってきたのは事実ですが、そこに時間外勤務手当を削減するためのサービス残業は存在していないのでしょうか?
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祝賀会、懇親会に市長および職員全員欠席
改選後に正副議長や各常任委員会などのメンバーが決定されると慣例で執行部との懇親会が開催されます。もちろん自費で。
今回も市長及び関係職員(課長級以上)に「議長、副議長就任祝賀会及び常任委員会懇親会」の案内が出されましたが、市長をはじめ関係職員全員が欠席だったようです。
■懇親会は好ましくない?■
市長は関係する職員に議会との懇親会参加について自重を促す文書を出しました。
自重すべき理由は
①議長、副議長の就任は議会内部の問題であること(2元代表制の下、議会側の行事については参加する必要がないという意味か?)
②懇親は2元代表制である議会と執行部の関係において好ましくないこと(なれ合いの関係が生じるから?)
の2点だと言うことです。
議会内部の問題とは何なのか、好ましくないとは何を指すのかなど詳しいことは分かりませんが、この様な文書が公務出席とは言えない場面で公人である市長から発せられたことに関して異例であると同時に違和感を覚えるものです。
■2元代表制とは■
この自重を求める理由からすると職員は憲法や地方自治法に謳われている2元代表制の考え方を議場外はもちろんのこと懇親会などの飲みの場においても厳守せよということかもしれません。
2元代表制とは首長も議員も住民の選挙によって選ばれ、首長は執行権、議会は議決権を有し、お互いに独立した機関として牽制、抑制しながらその権限を均衡させて適正で効率的な行政運営を行うというものです。
地方自治の制度設計が2元代表制である以上、この制度の意義を良く理解して市政を運営していかなければならないことは当然とも言えます。
しかし、公式な行事とは言い難い祝賀会や懇親会の出席に2元代表制を楯に一石を投じる必要があるのでしょうか。
懇親の席は議会と執行部ではなくて一議員と一職員のやりとりでしかないでしょうし、そこにまで牽制、抑制の関係を地方自治法は求めていないはずです。
でも、市長は2元代表制に則った関係を厳格に考え維持すべきと考えたのでしょう。
そうなるといわゆる「市長派」と呼ばれる議員も市長から否定されたことになります。
見識あるものにとっては当たり前のことですが「議院内閣制」をとっていない地方議会には、市長与党つまり市長派は制度上、存在しませんし存在してはならぬものです。
議会に求められていることは市長に寄り添うことではなくて対峙していくことです。
■考え方が変わったのか■
私には市長はこの制度をうまく利用して職員に欠席を求めたとしか思えません。
首長は執行機関、議会は議決機関と完全に区別されているのが現在の制度です。
区別されているがゆえに、そして各々の役割が決まっているがゆえに執行機関の政策提案に議会が関与することはできません。
制度上、関与すればそれは越権行為であり、それこそ2元代表制である議会と執行部の関係において好ましくないことです。
そのために議会は数年前から市長の諮問機関である各種審議会に議員を出さなくなりました。
当時、市長はこの事について「何故、議員を引き上げるのか」と議会を激しく非難したことがあります。
また、市長は本会議の一般質問で議員が執行部に対して政策要求で詰め寄ると「議員さん、一緒に(政策形成)やりましょう」旨の発言を幾たびか行っています。
しかし、審議会や協議会などで執行機関と議会が政策協議ができないことは2元代表制の考えからすれば当たり前のことなのです。
当時の市長の発言は2元代表制を否定しかねないものだったのです。
執行部の提案に対して議決権を持つ議員がその立案に携わってしまったら、議員の権限である議決に選択の余地はなくなり制度上混乱をきたしてしまいます。
■岐路に立つ地方自治■
現在の地方自治法では執行機関と議会が協働して政策を作り上げることは制度上不可能です。
不可能を可能にするには自治法の改正を待つしかないのですが、様々な設定で「協働」や「協調」を演出することもできます。
昨年度開催した「市民カンファレンス」もその取り組みの一つでした。
地方自治法に抵触しない方法で両者が議論できる場を設定することは十分可能なはずです。
議会にも政策提案権はありますが、政策提案集団である執行機関との差は歴然としています。
住民の利益のために執行機関の知恵を借りたり、協働して政策提案ができるように地方自治も変化をとげる必要があるのではないでしょうか。
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市長と議会の力関係、歴然
10月29日の本会議に議案1件が上程されました。
内容は津布田小学校の外壁改修工事費3441万円。
耐震補強工事中に外壁の劣化を広範囲に確認したため補正予算を計上したものです。
これに対し、本会議質疑として山田議員が行った3回目の質問に白井市長がかみつきました。
山田議員「学校関連の耐震補強(工事)では入札の際の横並び入札と言うことも以前から指摘をされていたが、その点について対処方法はキチンとされるのか。また、中にはそれに対して不公正な入札が行われてるんじゃないかとの指摘があるわけですが、その点は改善されるのか」
白井市長「不公正な入札があったかのようなご発言がありましたけれど、まったく身に覚えのないことをこういう公の席で質問して欲しくない。具体的なものがあれば示してください。でないと名誉毀損としてしかるべき措置を執ります。」と語気を荒げて答弁しています。
山田議員が指摘しているのは、平成22年6月に執行された7件の小中学校耐震化工事のことで次のような結果になっています。(3件のみ抜粋掲載)
それぞれの入札において全業者が同一の入札金額であり、山田議員の言うとおり横並び入札は事実ですが不公正な入札とは何を指しているのかは質疑の中では明らかにされていません。
入札に関する不公正と言われると色々なことを勝手に想像してしまうものです。
しかし、この案件に関しては、行政の勝手な都合なのですが夏休みに工事を行いたいという思惑から日程に余裕がなく、入札後速やかに契約に移れるように事前に最低制限価格を公表したため業者が最低制限価格と同じ金額で応札したことによってこの様な結果になったものです。
そしてなるべく多くの業者に落札さすために1回落札した業者は次以降応札できないというルールがありました。
いわば異例中の異例の入札だったのですが、これを不公正な入札だというのは甚だ見当違いかもしれません。
もしかしたら最低制限価格を公表したことが適正な入札方法ではなかったかもしれないと言い換えるべきかもしれません。
何故なら、最低制限価格を公表すれば入札に必要な競争原理が働かず業者がそこに価格を合わしてくることは容易に想像できたからです。
でも入札のスタイルとしてはこれもアリなのです。
いずれにしても山田議員の質疑は具体性を欠き何が不公正なのかきちんと指摘をする必要がありました。
そして白井市長の答弁も相変わらずです。
「リーガルハイ」を想像させるような後半部分の発言は議場には必要ないし、常々、2元代表制のなんたるかを唱えてらっしゃるがあまりにも上から目線のような気がします。
また、公の場での発言であり、発言訂正や撤回もなかったので議員サイドが具体的な不公正を示すことができなかった場合、いつその様な法的措置をとられるのか興味あるところです。
この手の質疑は聞いている市民側には消化不良となりかねないのです。
これから先は委員会の審議において・・・では議論は見えてきません。
入札に不公正があるのなら大問題です。議長は質疑は3回までと言うルールにとらわれることなく、山田議員の本意を聞き出し、真偽を確認する必要があったように思われます。
また、同じ会派の議員が質問を継続させるという手法もあったはずです。
その様な柔軟な対応をしないと議会への不信感は募るばかりです。
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