コンテンツ

最近の記事

ブログ記事 アーカイブ

山陽小野田市市議会議員 高松ひでき

自ら力を弱める議会

2014年1月 7日 14:28 高松ひでき 記す

地方自治法109条2「常任委員会は、その部門に属する当該普通地方公共団体の事務に関する調査を行い、議案、請願等を審査する。」

常任委員会の仕事はこれがすべてです。

DSC_1529

■議案審査は本会議で委員会に付託■

年に4回ある定例会で執行機関より提出される議案と市民などから出される請願の合計は毎回50本前後あります。(請願は数本程度、議会提出、議員提出議案も稀にあります)

議案のほとんどは予算や決算、条例などです。

それらの議案、請願等の審査を全員参加のもと本会議で行うことは非効率なため3つの常任委員会に付託をされます。

常任委員会にとって議案は執行機関より提出されるということと、本会議で付託をされるという2つの意味から受動的な性質を持ちます。

 

■所管事務調査は委員会独自の権限■

しかし、地方公共団体の事務の調査(所管事務調査)は委員会が自主的に調査案件を決定し、議長への通知は必要となるのですが本会議の干渉を受けず積極的、能動的に行うことができます。

所管事務調査とは地方公共団体のすべての事務を対象としていて、調査の結果によっては改善を求めることや議会独自で条例を制定することもできます。

常任委員会の本領が発揮できる重要な権限です。

東京都議会の総務委員会での猪瀬前都知事に対する質疑はこの調査権に基づいて行われました。

 

■閉会中も公式活動せよ■

委員会の開催は本会議中に限定されていますが、例外として所管事務調査は閉会中の調査事項を個別具体的に列挙し、議決を経れば閉会中も議決した項目のみに限って委員会を開催し調査することができます。

逆を言えば、議決していない項目について調査しなければならない事態が発生しても委員会を開催することはできません。

このことが議会としては大きな問題です。

過去の議会では、突発的案件等に対応できるように、また閉会中も積極的に調査ができるように多くの事項を議決していました。

 

 

■執行機関に迎合か?■

この度、この閉会中の所管事務調査について実際に調査を行う案件のみとするという理解しがたい決定をしたようです。

突発的な案件に関しても全員協議会や委員会協議会などで対応するということです。

その理由として「閉会中の期間は約2か月しかなく、そんなに多くの所管事務を調査できない」「突発的事項の対応は全員協議会、委員会協議会を活用することで対応が可能」

迎合的、消極的な発想であり、非公式の全員協議会や委員会協議会で何をどうしようというのか理解に苦しむところです。

執行機関から見れば閉会中に公式な委員会を開催されて余計な時間を費やし、厄介な質疑に答弁する必要もなく、あったとしても非公式な場に呼ばれるため政治的な拘束を受けることがないので歓迎すべきと考えているのではないでしょうか。

 

 

■議会にはメリットはない■

所管に関わるより多くの項目を閉会中も調査できるように列挙し、議決することによって委員会が機動的に機能します。

もちろん議決したからと言ってすべての項目について調査を行うものではありません。

また、災害などの突発的事項が生じた時には、単なる議員の集まりである非公式な協議会などで議会はどの様に対応しようとしているのでしょうか。

正式決定ができない協議会の開催では議会として機能不全となることは間違いないし、そうなると執行機関の追認の場とならざるを得ないのです。

議会は公式な場の合議によってのみ拘束力を生み出しますし、密室で行われる協議会では説明責任も果たすことができません。

この権限を議会自ら放棄するすることに違和感を感じます。

 

■望まれる建設的な委員会運営■

議会は所管事務調査項目を削減することに安易に妥協せず、執行機関の批判や非難に終始することなく建設的な結果を導き出せる委員会運営を再考し実践すべきです。

 

最後まで読まれたらクリックをお願いします!!

全国ブログランキング

只今23位です

政治ブログブログランキング参加用リンク一覧

コメントする