船橋オート廃止の影響
山陽オートの開催時には道路が大渋滞していたのは30年以上前の話、下関ボートと開催日が重なっていようものなら長府まで渋滞していた記憶があります。
当時の山陽オートの利益による旧山陽町民の厚遇に対して、うらやましいと大人たちは言っていました。
しかし、時代は移り変わり隆盛を誇っていた山陽オートも生き残りをかけ試行錯誤をしています。
今年度より包括的民間委託先を日本写真判定に変更して、今からだというところで飛び込んできたのがオートレース発祥の地である船橋オートの廃止のニュース、そして時を同じくして飯塚オートの民間委託への移行のニュース。
山陽オート再生に向けての時期だけに出ばなをくじかれた気がすると同時に今後の影響が心配になります。
■オート業界とは■
オートレース場は船橋、川口、伊勢崎、浜松、飯塚、山陽の6場しかありません。
そのほかの公営競技である競馬は25場、競輪43場、競艇24場と数多くあります。
これらの業界ごとに経費が多くかかる本場開催とあまりかからない場外発売を組み合わせて生き残りをかけて運営をしています。
と言うことは必然的にレース場が多い業界ほど場外発売に依存できる構図となっていて、逆にいえばオートレースのように場が少ないほど厳しい経営になります。
■船橋オートの廃止が意味するもの■
船橋オートの2012年度車券売上高は約110億円(6場中3位、最盛期の7分の1)、同年度の山陽オートの車券売上高は約70億円(6場中6位、最盛期の3分の1)。
山陽オートは包括的民間委託先だった「日本トーター」が今年になって撤退し、現在は「日本写真判定」が受託しています。
船橋オートも2006年4月から全国で初めての民間委託で「日本トーター」が受託するも今年度4月から「日本写真判定」に変更されたばかりでした。
そして船橋オートも売り上げが激減しており、森田千葉県知事は「売り上げの減少傾向に歯止めがかからず、厳しい状況であり、税金を投入してまで維持していくということはいかがなものかと思う」とコメントしています。
オート業界は全国6場が相互に場外発売などで支えあってきただけに、今回の決定は他場にとってダメージが大きいと言えます。
山陽オートの場合、場外発売の割合は約65%なので、船橋が抜けることによって10%以上の売り上げ減が予想されるのではないでしょうか。
しかしそうならないように船橋市は場外発売を作るとの噂もあります。
■山陽オートとの相違点■
船橋は施行者である千葉県と船橋市が決断をして廃止に踏み切ったのですが、本市の場合は受託者と共に全市で山陽オートの再生に取り組むと表明しています。
それと船橋の累積債務は約1億4500万円、山陽オートは約20億円、廃止をすればこの債務処理の問題が直ちに生じてきます。船橋は知事のコメントにもあるような理由で傷の浅い早めに手を打ったということかもしれません。
また、船橋オートの土地の所有者は「三井不動産商業マネジメント」と「読売ランド」で賃借料の値上げや再開発の意向も指摘されています。
そして市街地での立地のため近隣住民の騒音への苦情も後を絶たなかったと聞いています。
オート業界は払い戻し率を70%にしたり、入場料を無料にするなどして利益確保のために手は打っているのですが、売り上げの減少に歯止めはかかっていません。
業界全体が落ち込む中、業績アップは至上命令でありながら容易なことではありません。
山陽小野田市と日本写真判定との委託期間は3年間です。この3年の間に業界全体の抜本的な売り上げ向上策か公営競技そのものの再編がなければ第2第3の船橋が出ないとも限りません。
また、国が進めようとしているカジノ構想も公営競技にとっては障害になるかもしれません。
最後まで読まれたらクリックをお願いします!!
全国ブログランキング
只今12位です。