少子化で地方は生き残れるか
日本創生会議が2040年までに896の自治体が消滅する可能性があるとセンセーショナルな予測を発表しました。
そして呼応するように、かけこみ成立した地方創生関連法案の一つである「まち・ひと・しごと創生法」は少子化対策に関する法案です。
特に地方では少子化イコールまちの衰退と位置づけ危機感を強めています。
その少子化に歯止めをかけ、生き残るために多くの自治体は婚活事業に乗り出しています。
山陽小野田市も平成25年10月より若者交流事業を展開しています。現在までに9回開催され、のべ183名が参加をしています。
ところが議会の一般会計予算決算常任委員会が全員一致で事業の見直しを求めました。また一般質問でも取り上げられ、きびしく批判する場面も見られました。
■婚活に消極的?■
ポスターには若者交流事業とあります。これは単なる名称だと思いきや市はこれを婚活事業ではないと言い切ります。
何故ならこの事業の目的は「独身の男女に出会いの場を提供すること」であり、それ故その後の成否については「追跡調査をしていない」と説明しています。
これは目的ではなくて手段のような気がするのですが、言われるようにこれが最終目的なら婚活事業ではなく若者交流事業です。
しかし、そうであれば果たして男女のきっかけ作りのために出会いの場を提供することが税金を投入してまで行わなければならない事業なのか疑問です。
■婚活事業の目的■
ところで行政が婚活事業を行う際に越えなければならないハードルがいくつかあります。
そのハードルとは個人情報保護の観点からの情報提供の難しさや民業圧迫の問題、そして何よりも個人の問題に行政が関与すべきかどうかの判断の迷いがあります。
しかし伊万里市の婚活応援課や武雄市のお結び課など多くの自治体がそのものズバリの婚活に乗り出しているばかりか担当の課を新設して市民にセールスをしています。
本市もお金は使って、きっかけづくりはしたがその後のことはわからないではなくて、結婚~子育て~定住をフォローするような事業展開が必要だと思います。
■安心が担保されているのか?■
民間業者も婚活事業を行っていますが、行政が行う事には利用者から見ればそれなりの大きな価値があります。
それは何と言っても安心感です。多少バイアスが掛かっていますが行政に備わっているべきものは安心感です。それとコストパフォーマンス、安価だという事でしょう。
この手の個人的でデリケートな範疇に介入する事業の場合、参加者は非常に敏感であるはずです。
これは、事業を行う主体がこのようなことを理解していればよいというものではなくて、参加者がどのように感じるかが大事です。
その点からみると足りないものがあるように感じてしまします。
例えば若者交流推進協議会が運営を行っていますが、委員名も公表されていませんし、担当課である企画課のホームページにもこの事業についての詳細説明もプライバシーポリシーもありません。これでは参加しようとする者や保護者は二の足を踏んでしまいます。つまり、安心を確認できないばかりではなく懐疑心を持ってしまいそうです。
■やはり結果が求められる■
もちろん市は最大限の努力でもって、この若者交流事業によって後追い調査はしないと言いつつも結婚につなげたいという思いがあるはずです。
その最終目的である結婚後の定住促進のために事業を行っているのも関わらず多くの点で物足りなさを感じてしまいます。
行政に求められるのは常に結果であるはずで、その結果が検証できないものならまだしも、結果については追跡調査をしないと言われると税金の投資価値が揺らいでしまいます。
しかし、市は今後は事業の精度を上げるとの説明をしています。
期待しましょう。
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